TOSHIBA(東芝) REGZA 液晶テレビ 40V30の液晶チラツキ修理

投稿者: | 2022-05-17

久々の、ジャンクネタです。
リサイクルショップを巡回していたら、この液晶テレビに出会いました。
(テレビ持ってるのでいらないんですけど)

型番はREGZA 40V30。
2016年モデルで、型番の通り40V型で結構大きいです。
世代的には、かなりコストダウンが進んで、バックライトもエッジ型のいわゆる安物です。
それでも流石に40Vなので、パネルはフルHD(2K)です。

この機体は17年製造でした。

簡素なインターフェース部。
それでもHDMI/2系統、RCA/1系統、BS,CSと地上Dのアンテナ入力、光デジタル出力、録画用HDDの接続用USB、LANジャックと、一応一通りは揃います。

さて、前置きが長くなりましたが、こちらの症状は
「電源は入るが画面が点滅する」
といったものです。ちらっと調べてみると、どうもバックライト周りに爆弾を抱えた機種のようです。

動作チェックしてみると、電源を入れて数分は調子いいのですが、温まってくると(?)バックライトが点滅します。やはり、前情報にあった通りの熱暴走系の感じです。

とりあえず分解していきます。裏返します。

赤丸のネジをすべて外します。
ネジは何種類かありますので、適宜分けて外してください。

ネジを外すと裏蓋が取り外せますので、外します。これで基板が見えます。

これが電源基板のようですね。

こっちは制御系のようです。

まずおそらく熱暴走ではないかと思われ、前情報で概ねの場所はわかっていますが
故障箇所を確定させるためにこの状態で通電し、負荷テストをします。
ヒートシンクや部品を触りながら過熱している部分を探すと、やはりここのようです。

このまま、一度冷えるまで30分くらい放置し、再度電源を入れ、ヒートガンで当該部を急激に温めます。すると、しっかりとバックライトが点滅を始めました。
そして、逆に送風で冷やすと、バックライトの点滅は収まります。ここで間違いありません。

まず電源基板を取り外します。

裏面です。シルク印刷が大変ご親切ですね。

ヒートシンクの下にICがあるようですが、ヒートシンクがはんだ付けで固定されているためとりあえずはんだを除去し、ヒートシンクを取り除きます。

塗りつけてあったシリコングリスはカピカピのカチカチ、もはやただのスペーサーと化しています。
しかも、もう一つのヒートシンクはICの下を通してあるようです。こっちは面倒なのでそのままにします。

ICです。OZ9998HDNの記載が見えます。

このICは、バックライトをドライブしているICのようですが、調べても中華系のサイトしかヒットしません。一応、データシートっぽいものはありました。

この付近の年式のREGZAでは頻発している事象のようで、国内でもYoutube等含め数例見かけました。
また、海外では結構有名なようで、いずれもこのICの放熱不足によるものと言われているようです。

とりあえず放熱対策をします。
ヒートシンクは先の通り、はんだ付けで取り付けてありますが、隙間が気になります。
すこしテンションをかけるために、鉄板を挟み込みます。いわゆるグリスバーガー状態になりますが、固形のシリコングリスでヒートシンクが浮いているよりはマシでしょう。
切り出した薄い鉄板。

シリコングリスを塗り、ICに乗せます。

そしてヒートシンクを元通りはんだ付けし、ついでに上に小さい汎用ヒートシンクを乗せてみました。

これでしばらくドライブしてみると、以前より発症するまでの時間は伸びているものの、たまに点滅します。放熱不良も原因ですが、度重なるサーマルシャットダウンでICが劣化し、落ちやすくなっているのも原因ですね。ICを替えるのもシャクなので、あるものでなんとかしたいところです。

少し考えて、やはりファンを増設することにしました。無音の液晶テレビにファンはちょっと迷いましたが、ほぼ無音のラインまで回転を落とせば良いでしょう。


これは電源基板の向かって右側のコネクタです。シルクが記載してあるため、調べる手間が省けました。一応テスターを当ててみましたが、5Vか12Vから取るのが簡単です。どちらも電源ONで通電し、電源OFF後にディレイがあり、オフになります。ちょうどいい感じです。

裏面の取りやすそうなところから、はんだ付けして電源を取り出します。
ファンはその辺にあった12Vの8cmくらいのものですので、12Vから取り出します。
(5Vでも回りましたが、ちょっと心許ない風量でしたので…。)

一応取り付けてみましたが、ファンが全開なので結構気になります。
減速しますが、DCDCをつけるのもなぁ、ということでダイオードを3個付けました(笑)。

収縮チューブで絶縁後、適当にはんだ付けします。

ファンは、ちょうどいい固定箇所がないためタイラップで2箇所程度、固定しているだけです。

これで数時間、連続稼働させていますが特に問題なく動作しています。
完璧に治すのであれば、ICを新品に交換し、ヒートシンクを大型のものに交換するかファンを増設するべきですが、とりあえず正常に動くようになるのであればこれでもイイのではないでしょうか。

一通り、使ってみましたが…。
・番組表の動作はまぁまぁ快適。
・液晶は至って普通。
・クラウドメニューと、内蔵のYoutubeなどは使い物にならないレベルの遅さ。
・ベゼルは細めでかっこいい。
・音質は、薄さを考えれば合格点。
という具合です。もともと懐かしのCELL REGZAのような高級機ではありませんので、こんなもんでしょうね。

TOSHIBA(東芝) REGZA 液晶テレビ 40V30の液晶チラツキ修理」への4件のフィードバック

  1. しみず

    コメント失礼致します。
    私の家のテレビも2015年製のもので、電源を入れたときは平気なのですが時間が経つに連れ点滅が始まります。メーカー保証ははさなく、修理に7万ほどかかると言われました。
    部品を買って自分で直せれば、とも思うのですが、素人的なところで申し訳ないのですが、、テレビの型番がわかれば秋葉原とかで基盤とかを買えるものでしょうか?

    返信
    1. zazameta 投稿作成者

      はじめまして。返信遅くなり申し訳ありません。
      症状だけで判断すると、当該症状と同じようですね。
      昔はテレビの型番で、内部部品もメーカーからある程度は購入できましたが、最近はできないことが多いですね。
      私は治すのが趣味なのでイイですが、安くあげようと思っているのであればなんとかして部品や基板を購入して修理するより、新しいものを購入したほうが良いと思います。
      (身も蓋もありませんが・・・。)
      それでも安く直したいのであれば、ICのみを中国あたりで購入して交換するのが良いと思います。

      返信
  2. この

    はじめまして
    大変参考になりました。
    余計なお世話かも知れませんが、完治しないのはICと放熱板の間の「鉄板」が原因ではないでしょうか。
    熱伝導率は銅やアルミに比べてけた違いに悪いようです。
    いきなり失礼なコメントですみませんでした。

    返信
    1. zazameta 投稿作成者

      はじめまして

      おっしゃるとおり、鉄は銅やアルミと比べると伝導率が悪いです。
      パソコンのクーラー類は基本的にアルミや銅でできていますからね。

      挟んだ鉄板なしでアルミなどのヒートシンクを取付できればそれが一番いいと思います。
      (ただ、元々ついているはんだ付けされたヒートシンクが鉄なんですよね。)

      コスト、手間、時間、色々考えて治すのは楽しいですね。

      返信

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