久々のNEC IXネタです。
忘れるので、備忘録として。
ログインパスワードを忘れてしまったり、リース落ちでパスワードがかかった中古を手に入れること、よくありますよね。
その機器のコンフィグを全てリセットして、初期状態に戻すのがスーパーリセットです。
NEC IXシリーズでは、コンソールケーブルだけあればスーパーリセットがかんたんに出来ます。
これがコンソールケーブル。CISCO互換品でOK。いわゆるシスコのきしめんケーブルです。

さっきのきしめんだと、今どきのPCにはRS-232Cの変換ケーブルを用意する必要がありますが、便利な一体型もありますので、現在のおすすめはこちらのきしめんです。(直接、USBに変換してある)

ではまず、コンソールケーブルをPCに差し込み、使用できる状態にしておきます。
続いてターミナルソフトウェアが必要となりますので、今回はフリーソフトのTeratermを使用しました。
起動するとこのような画面になります。今回はコンソールケーブルでシリアル接続しますので、下の[シリアル]を選択し、右の[ポート]で該当するポートを選択します。

OKを押すと、真っ黒の画面になります。これでPCの準備は完了です。

つづいてIXルーター側です。今回スーパーリセットする端末はIX2105です。
一番左の[CONSOLE]端子に、コンソールケーブルを差し込みます。
コネクタはLANと同じRJ45の為、間違えないように気をつけます。

差し込んだら、IX2105の電源を入れます。

IX2105の電源を入れると、先程接続したPCのターミナルに文字が流れます。

起動シーケンスが続き、途中で
Loading:#######….
と続きますので、#が終わる前に、キーボードの[Ctrl]+[C]を押します。
するとブートがキャンセルされます。するとプロンプトが
boot[1]>
となります。

スーパーリセットを行います。
boot[1]>
のプロンプトに、[cc]と入力し、Enterを押します。
その後で、[Y]を入力しEnterを押せばスーパーリセットが行われます。

スーパーリセットが行われ、コンフィグが削除されました。

このままでは起動しませんので、プロンプトに[b]を入力してEnterを押します。
すると、システムソフトウェアのブートシーケンスが始まります。

起動中です。

起動しました。
パスワード類が全て消えている状態なので、警告表示が出ています。

これで初期化は終了です。
ちなみになぜ突然?かと言うと、IX2215を入手したためです。
IX2105をIX2215にリプレースするため、
1.IX2215のスーパーリセット
2.IX2215のFWのバックアップ
3.IX2105のコンフィグのバックアップ
4.IX2215にコンフィグを移植
5.IX2105をスーパーリセット
6.IX2105のFWのバックアップ
を行いました。いや~。忘れてましたね。見事に。半年くらいしか経っていない気がするんですけど。
コンフィグは、IX2015のものをそのまま抜いて、IX2215にターミナルから流し込んだらそのまま動きます。
世代が近いのと、モデルも上位なのでインターフェイスが減ることもないのでそのまま動きましたね。多分。
ちなみにスペックはこんな具合です。
IX2105 | IX2106 | IX2215 | IX2235 | |
定価(税別) | 81,000円 | ← | 118,000円 | ← |
発売日 | 2010/10- | 2017/11- | 2012/06- | 2020/11- |
CPU | PowerQUICC II 400MHz | QorIQ 800MHz | ← | QorIQ 1GHz |
RAM | 128MB | 256MB | ← | 1GB |
IPv4スループット | 1.3Gbps | 2.0Gbps | ← | ← |
IPsecスループット | 440Mbps | 1.2Gbps | 1.3Gbps | ← |
NATセッション数 | 65,535 | 250,000 | ← | ← |
動作環境条件 | 0-50℃ | 0-50℃ | 0-45℃ | ← |
最大消費電力 | 7W | 7W | 18W | 19W |
IX2105の後継機IX2106とスペックが近いですね。
2021/09/04現在、IX2215はまだ現行で販売されていますが、後継機っぽいIX2235が2020/11/16に発売されたため、徐々に終売に向かうと思われます。(IX2235にはBRIポートがないので、IX2215も継続なんだろうか?)
それにしてもIX2235,ほぼスペックはそのままなのに、メモリがてんこ盛りですね。テレワーク需要に対応したんでしょうかね。
そしてこちらは参考の、YAMAHAのRTXです。IX2235の仕様を見た後だと、メモリがチンケに見えます。
そしてNATセッション数がIXと比較して少なめなため、接続端末が増えたり並行してセッションを張りまくるソフトウェアを多用するとすぐ溢れそうですねぇ。
RTX1200 | RTX1210 | |
定価(税別) | 125,000円 | 125,000円 |
発売日 | 2008/10- | 2014/11- |
CPU | MIPS 300MHz | PowerPC 1000MHz |
RAM | 128MB | 256MB |
IPv4スループット | 1.0Gbps | 2.0Gbps |
IPsecスループット | 200Mbps | 1.5Gbps |
NATセッション数 | 20,000 | 65,534 |
動作環境条件 | 0-40℃ | 0-45℃ |
最大消費電力 | 16W | 14.5W |
ま、YAMAHA RTXでもNEC IXでも、家庭用ルーターよりは安定感ありますから良いですけどね。