TOSHIBA dynabook SS S20の修理と擬似SSD化]]>
TOSHIBA dynabook SS S20の修理と擬似SSD化
さて、今回はSS2xxx系の後継、S20です。
SS2xxx系は色々な意味で体の弱い部分が多く、液晶の黒シミやライン抜けに手を焼きましたが、
今回のS20はボディが比較的硬いため、へこみません。
その代わり少し重い気がします。
スペックは以下の通りです。
CPU:Intel PentiumM 1.2GHz
メモリ:256MB(DDR2-SODIMM/スロット1/オンボード256MB/最大1.25GB)
HDD:なし(1.8インチ/東芝IDE)
液晶:12.1インチノングレア(XGA/1024x768)
チップセット:Intel 915GMS
OS:Microsoft WindowsXP Professional COAシール付
SS2000系はPC133-SDRAM(TypeZ)、
SS2100系はDDR-SODIMM
そしてこのSS S20はDDR2-SODIMMです。
チップセットが855GM→915GMに進化しているので、グラフィックも多少よくなっていることが予想されますね。
ともかく、SS2000系のTridentよりはマシでしょう。
今回の機体は、
・ヒンジがガタガタする
・PCカードスロットのイジェクトレバーが欠損している
というジャンクでした。
開いてみるとこんな感じです。
キーボードには多少テカりがありますが、許容範囲でしょう。
キーボードは、SS1600系と互換性があるようです。見た目に惑わされないようにしましょう。SS2000系と互換はありません。
動作確認してみましょう。ACを挿すと、通電していますね。
立ち上げてみると、普通にBIOSが拝めました。良かったです。液晶も非常に綺麗ですね。
ヒンジがガタつくので、一度分解しましょう。
バッテリーはこんな感じです。がんばってますね。
10.8V/3800mAh
ここがHDD部です。マウンタはSSでは有名なゴムのマウンタですね。
さて、裏のねじ類をすべて外したところで、表側に行きましょう。
まずはSS2000系と同じように、キーボード上のベゼルをむしりとります。
その後、ねじを2本外し、キーボードを取り外すと写真のようになります。
この状態にした後、PCカードスロット周辺のねじを2個外します。もちろん、周辺のケーブルも外します。
これで裏返すと、裏カバーを取り外すことができます。
無線LANがありません。このサイズだと、背の低いminiPCI無線カードを探さないといけませんね。
実質赤四角に収めないとふたが閉まりませんので。
ヒンジががたつくので、ここのねじと
ここのねじをきっちり締めておきます。
これでヒンジはしっかり立つようになりましたが、PCカードスロットを直さないといけませんね。このあたりです。
HDDフレキを外すと見えやすいです。純正です。レバーが折れていますね。
互換性がありそうな、SS2010のものを外してきました。
左:SS2110のもの 右:SS S20のもの
裏返します。どうもぱっと見同じなので、取り替えておきました。レバーが黒くなった程度で問題は無いようです。
さて、続いてはメモリを増設しておきます。最大1.25GBということで、DDRだとお高くつきますが、DDR2なので格安です。
もともと付いていたものがこちら。ちょっと珍しい、DDR2の256MBですね。(Hynix DDR2-SODIMM PC2-4200S 256MB)
1GB盛っておきます。(Eudar DDR2-SODIMM PC2-4200S 1GB)これで最大搭載ですね。
さて、続いて最大の難関、HDDです。この機種は周知の通り、遅い・高い・壊れやすいで3拍子揃った
1.8インチHDD搭載です。というわけで、今回はこんなものを使ってみようと思います。
CF-1.8インチ東芝IDE変換アダプタ ¥500
CFは安くて割と高速な400Xをチョイス。MLCですが使用に耐えないほどではないようです。
Trancend CompactFlash PREMIUM 400X 8GB ¥3230
こんな感じで入っていました。
これを先ほどのアダプタに取り付け、装着します。基板の裏はむき出しなので、テープで絶縁しておきます。
HDDとして認識しているようです。
このままOSをインストールしていきますが、この環境では「NTFSでフォーマット(クイックでない)」
で行わないとエラーで進めませんでした。
インストール終了後、日立マイクロドライブのドライバを改変し、CF仕様にしてドライバを当て、
再起動します。するとリムーバブルディスクとして認識されていたCドライブが、HDDとして認識されます。
これをする意味ですが、やっておかないとソフトによってインストールができなかったりするためです。
8GBですが、OSとOfficeでこれだけです。問題ありませんね。
OS+各種ドライバ+Officeをインストール直後に、SSD用デフラグを掛け、計測してみました。
その後、プチフリ対策にFlashFireをインストールし、再計測。
ライト系が上がっているのがお分かりでしょうか。
さて、この機種ですが、指紋認証が付いていて便利ですね。まぁRX1が手に入ったので、こちらはサブになりますが。
それにしても、一応東芝の開発陣も気にしていたのでしょうか。黒シミ(笑)
この機種ではさっぱり見つけられませんでした。中央下のシミのようなものは、汚れです。
こちらは比較用のSS2110の液晶です。シミだらけです。これでもマシなほうですよ。
ただ、SS S20、“PremiumSlim”なんてデカい売りにした割に、詰めが甘すぎます。実際モバイルしたら使いにくいかも。
まずこの前面の電源ランプを兼ねたLEDは無駄でしかないです。そしてタッチパッド周りが光沢で、指紋が目立ちます。
この写真を見るとわかるかと思いますが、タッチパッドはアームレストの中央配置です。
SS系全般ですが、モバイルとしてはもはや意味がわかりません。
とまぁ、色々欠点もあるわけですが、欠点ばかりではありません。着実に進化はしています。
ちなみに、大容量バッテリ(ポトリの端子)はSS2000系/SS2100系/SS S20系すべて共通です。
標準バッテリはSS2000系とSS2100系に互換がありますが、S20との互換はありません。
個人的ですが、キーボードはSS2000系にしてほしかったです。キーピッチが広いので。
また、CFにすると書き込みが遅くなりますが、耐衝撃性や読み込みの早さ=起動速度
に優れるので、モバイルにはぴったりかなと思います。