Acer Aspire 5520の修理
到着時です。
さて、お初となるAcerのノートです。
とはいっても、AcerのノートPCが有名になってきたのは最近ですね。
ノートPCの低価格化が激しく、国内メーカーは太刀打ちできません。
キャッシュバックなどを併用することで、LenovoのGシリーズやAcerのものは3万円切りで買えることもあります。
恐ろしい時代です。
今回購入したのは、AcerのAspireシリーズで、AMDのCPUを積んだモデルとなります。
Turion64 X2なので、デュアルコアですね。症状はというと、通電するが起動しないというもの。調べるとNvidiaのチップ搭載です。
張りなおしでいけそうだ、ということで落札してみました。
まずはスペックです。
CPU:AMD Turion64 X2 TL-58(1.9GHz/Dual-core/Socet S1)
メモリ:なし(DDR2-SODIMM/スロット2/最大4GB)
HDD:なし(2.5インチ/SATA)
チップセット:Nvidia nForce 610M
光学:DVDスーパーマルチ
液晶:15.4インチワイドグレア(WXGA/1280x800)
こんなところでしょうか。
最近のノートはWXGAが多いですね。
現状の中古がXGAばかりのように、数年後はWXGAばかりになっていそうですね。
出してみました。天板はそこそこ綺麗ですね。ただ、非常にプラスチッキーです。
開くとこんな感じです。丸いデザインですね。
アームレストまわりはこんな感じです。GeForceのシールがありますね。
裏面です。
さて、動作確認してみます。通電はしますが、立ち上げてみると起動しません。開腹コースですね。
まずは裏のねじをすべて外し、光学ドライブ、メモリや無線LANなどの外せるものはすべて外しておきましょう。
次に表のボタン周りのカバーを外します。爪で引っかかっているようで非常に硬いので、気をつけて外します。
外しました。
キーボードは左右のツメ4箇所程度で固定されているので、パチパチと外していきます。
外れました。
次に外せるケーブル(液晶・無線LANアンテナ2本・各種フラットケーブル)をすべて外します。
液晶を外さないとアームレスト周りを外せませんので、液晶を外します。
左右のヒンジ部のねじあわせて4本を外すと、上半身が外れます。
左側
右側
外れました。
後はそこらじゅうツメで固定されていますので、パキパキ外します。外れました。
2箇所程度ねじ止めされているので、ねじを外し、コネクタを抜くとメインボードだけにできます。
クーラーを外します。見えてきました。
こちらがチップセットですね。(Nvidia nForce 610M)
MCP67MV-A2
CPUはこれです。(Turion64 X2 TL-58 1.9GHz)
いつもどおりにチップセットの保護を剥ぎ取り、フラックスを使用してヒートガンで暖めます。
その後洗浄し、十分乾燥させたら仮組みします。
仮組み完了後、通電チェックです。通電チェック時は、バッテリーを付けず行います。
(※非常時、ACを抜けば電源供給を絶てる為。)
仮組みです。立ち上がりました。
これで直ったと思いきや、Windowsインストール中に止まってしまいます。おかしいですね。
よく考えます。
・Nvidiaのチップは不良が多い
これは既知の不具合ですね。よくあります。今回はそこは修理したはずです。
・AMDのCPU搭載モデル、特にデュアルコアモデルはよく死んでいる
これですかね?よく考えると、チップセットが何であっても死んでいる機体を見かける気がします。
ということで、CPUを手持ちのMobile Sempron 3200+に付け替えてみます。
・・・。
Windowsがすんなりインストールできました。ということは、CPUの不良でしょうか。
非常に珍しいケースですね。
よくよくCPUを観察してみると、AMDのS1ソケットのCPUはコアは丸出し、そして表面にコンデンサらしきものが実装されています。
GPUが熱でBGAが割れるレベルですから、CPUはこの表面のチップが半田割れしてるのでは?と思い、ヒートガンでリフローしてみました。
すると・・・、なんと、直ってしまいました。どれだけ負荷を掛けても落ちません。絶好調です。
ノートのマザーボードの仕様上、このモデルはCPUは下向きに配置されます。それも原因でしょうか。
とにかく、付け替えてみました。いい感じです。
と、結局なんでも暖めてみろよ、見たいな結末でしたが、どうでしたでしょうか。
こんなこともあるのですね。